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「メイド・イン・ジャパン
柿右衛門と有田焼の
400年」

2016年6月23日~8月21日
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十五代酒井田柿右衛門(1968年生)作、濁手団栗文蓋物(2016年)

十五代にわたる柿右衛門窯の制作を通して、日本の磁器づくりの技に注目します。

2016年は日本における磁器生産の400周年を記念する年です。日本の磁器生産は、1616年に九州の有田で始まったと言われます。有田磁器で有名なスタイルのひとつに、いわゆる「柿右衛門」があります。柿右衛門様式の起源は1670年代にさかのぼり、主としてヨーロッパ市場向けに制作されました。初代酒井田柿右衛門は、1647年、有田からほど近い長崎で中国人陶工から上絵付けの秘法を学んだと考えられています。初代はその技法を有田に持ち帰り、上絵に使われた橙色がかった赤色にちなんで、「柿」右衛門の名前を得ることとなりました。

詳しくは

柿右衛門窯はそれ以降、十五代にわたって磁器をつくり続けており、今日でも日本の伝統的な工房システムに則った仕事をしています。「柿右衛門」は、家の長子が窯の名と工房を継承する家元原理に基づいて受け継がれてきました。現在、十五代酒井田柿右衛門(1968年生まれ)によって、その偉大な名が保持されています。

この展示の中心は、十五代柿右衛門が率いる今日の工房で磁器が制作される様子に迫った映像です。今年はじめに、柿右衛門窯から特別の許可と協力を得て撮影されたこの映像は、磁器制作のプロセスを目の前に生き生きと立ち上がらせます。このようなプロセスを経て完成した展示作品には、17世紀後半の「色絵碁盤唐子置物」の愛くるしい像から、圧倒的な存在感の十四代柿右衛門作「濁手山つつじ文鉢」、そして今回の展示のための特別制作として2016年に完成したばかりの、十五代柿右衛門作「濁手団栗文蓋物」まで、さまざまあります。またヨーロッパの窯で柿右衛門様式をまねて制作された作品も展示されています。

十五代にわたり途切れることなく続いた窯の重みに光をあてるばかりでなく、展示では十三代・十四代柿右衛門が、それぞれの個性による「ひねり」を加えながら、柿右衛門様式の伝統を第二次大戦後にリバイバルしたことにも注目します。また、現在の十五代によって率いられる柿右衛門窯が、昔ながらの方法を受け継ぎつつも、生活様式の変化に対応した器づくりに臨んでいることにも注目してください。普段見ることのできない工房の内側で、美しい磁器がどのように制作されているのか、じっくりとご覧下さい。


3Dで「色絵碁盤唐子置物」をもっと詳しく見てみよう

 


関連展示

日本(第92~94室)

三菱商事日本ギャラリーでは「日本の古代から現在まで」と題して、日本の長い歴史をたどる展示が行われています。10月10日までは、有田における磁器生産400周年を記念した特集展示として、江戸時代に名を馳せた鍋島の作品や、現在その流れを汲む今泉今右衛門窯の作品をはじめ、有田の磁器をご覧いただけます。また現代の陶芸アーティスト、細野仁美の作品も展示されています。